車のリアガラスが割れた!そのまま走行できる?応急処置を解説
更新日:2021.12.23
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後方の視界確保で大きな役割を担っているのがリアガラス。
もし、リアガラスが突然に割れたら運転に支障が出るだけでなく周囲も危険。
その時の対処法を知っておけば被害を最小限に抑えられます。
リアガラスが割れた時の注意点や応急処置について解説します。
予期せぬ瞬間に割れるリアガラス
車のリアガラスには安全性の高い強化ガラスが使われています。
強度は通常のガラス(フロートガラス)の約3〜5倍。
割れた時、フロートガラスのように鋭利になるのではなく粉々になるのが特徴です。
破片による危険度が低いことから安全ガラスとも呼ばれていますね。
高い強度を持つリアガラス、普通の走行状態で突然に割れることは、ほとんどありません。
割れるのは強い衝撃を与えた時です。
もっとも多い例が飛び石。
大きな石であれば瞬時に割れるので原因もすぐに判明します。
分かりにくいのが小さな石。
当たった瞬間、リアガラスが割れなくてもクラックが入ることがあります。
わずかなクラックでも走行中の振動や風圧、また寒暖差などが引き金となって破損を招きます。
それから運転ミス。
とくに多いのがリアゲートが開くミニバンやハッチバック車。
リアゲートが開いたままなのに気がつかず、バックしてぶつけてしまうケースです。
稀な例としては熱割れがあります。
これはリアガラスの極端な温度差によって割れる現象。
とくに厳寒の冬場で日中の陽光が極端に強い時は要注意です。
本来、割れることがないリアガラスが突然に割れてしまえば誰でも焦ります。
でも、割れた時に肝心なのは冷静な行動。
慌てず、危険を回避するための応急処置をしましょう。
リアガラスが割れたら安全を確保して速やかに停車
強化ガラスが割れると網の目のようにヒビが入り、ほぼ真っ白になります。
しかし、よほど大きな衝撃でない限り飛び散ることはありません。
この時、してはいけないのは後方が見えないからといってガラスに穴を開けること。
とくに走行中、後部席の人がガラスを叩いて視界確保するのは厳禁です。
細かな破片になるとはいえ、後方に走行中の車や歩行者に当たると大変、危険です。
リアガラスが割れて真っ白になったら、まずはサイドミラーで側方の安全を確認。
それからゆっくり停車してください。
割れたまま走行すると、車体が揺れる衝撃でガラスが剥がれ落ちる恐れがあります。
停車後はリアガラスの外側から車の内側へ割れたガラスを軽く叩いて落としてください。
この時、直接手でガラスに触れるのではなく、間接的に叩ける道具を使った方が安全です。
とくに道具がない場合は車載工具のレンチでも構いません。
車内に落とす際、内側(ミニバン等は荷室、セダン等は後部席)にも配慮しましょう。
荷物があれば座席に移し、できるだけ広いスペースを確保してください。
レジャーシートなどがあればそれを敷くことで、後々の掃除の手間を軽減できます。
ダンボールとガムテープで応急処置
リアガラスがない状態でも走行は可能です。
とはいえ、リアガラスがない状態では風や雨が吹き込むし、破片が飛び散る場合もあります。
車内にブルーシートやガムテームがあれば応急処置ができますね。
もし、それらがない場合は最寄りのコンビニやスーパーマーケットへ行きましょう。
コンビニやスーパーマーケットには必ず廃棄するダンボールがあります。
またガムテープも販売しています。
リアガラスを塞げる大きさのダンボールを譲り受け、ガムテープでしっかり止めてください。
車内側より、車外側の方が突起物が少ない分、ダンボールを密着させることができます。
ここまでの応急処置ができればひと安心。
なお、走行中にしてはいけはいけないことをもうひとつ。
ダンボール装着後は絶対に窓を開けないでください。
車内からの風圧でダンボールが吹っ飛んでしまいますよ。
応急処置のあとは速やかに専門業者へ連絡する
ダンボールやブルーシートはあくまで応急処置。
走行はできても道路運送車両法違反となり、罰則が科せられます。
もちろん車検は通りません。
割れた直後に警察車両から停止を求められた場合は緊急対策であることを伝えてください。
道路交通法違反ではないので、注意勧告だけで済む可能性があります。
でも、ダンボールやブルーシートのままでは車内が汚れるし、盗難の心配もありますよね。
リアガラスの交換依頼はできるだけ速やかに行いましょう。
依頼は自宅近隣の修理工場を持つ専門業者やディーラーにした方が無難。
交換そのものは3時間程度で済みます。
しかし、専門業者やディーラーに必ず在庫があるとは限りません。
また在庫があったとしても業者側の仕事の混み具合で作業時間や日数は変わってきます。
近隣の業者に連絡して、作業時間(日数)がどのくらいかかるか確認してから持ち込みましょう。
その際、必ず費用を聞くことも忘れずに。
リアガラスはアンテナやデフォッガー(電熱線)が組み込まれているので高価です。
車種によって大幅に変わってきますが、ワゴンタイプの軽自動車で60,000円前後です。
なお、バックでリアゲートをぶつけてしまった際、歪んでリアガラスが入らないこともあります。
その場合はリアゲートやピラーも修理しなければならないことを想定しておきましょう。
リアガラスの破損は不測の事態。
嘆くより、その後の安全対策を速やかに、確実に行った方が前向きの気分になれますよ。
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中山裕貴(PRO SHOP八尾店 施工技術マネージャー)
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