車のエアコンが効かない場合の原因と対処法

更新日：2023.05.30

梅雨の湿気や真夏の酷暑の中、車の運転にエアコンは欠かせません。
エアコンが効かなくなると不快なだけでは収まらず、安全運転にも悪影響を及ぼします。
効かなくなる原因はいろいろあるので、事前にチェックして不測の事態に備えましょう。
車のエアコンが効かない場合の原因と対処法について解説します。

外気の温度と湿度が高いと、運転に過大なストレスを与えます。
運転している本人は我慢できても、同乗者の気分が悪くなったり脱水症状になったり。
早めにエアコンを稼働させて快適な車内環境を作ってください。

気温が高い時、炎天下に置かれた車はエンジンをかけてもすぐにエアコンは効きません。
走り出す前にドアを全開放して車内の熱気を逃し、走行する時は窓を少し開けて放熱しましょう。

オートエアコンであれば適温になるまで自動的に稼働します。
その際、内気循環になっていることを確認してください。
外気導入になっていると、外の暑い空気が車内に入り込むので、なかなか冷えません。

ただし、内気循環は車内温度が下がったら外気導入に切り替えてください。
内気循環を続けていると新鮮な空気が入らないため、二酸化炭素濃度が上がります。
濃度上昇は注意力の低下や眠気、疲労感などを引き起こし、安全運転の妨げとなります。

外気導入と内気循環の切り替えはエアコンが効かないと感じた時の原因のひとつ。
まずはエアコンの温度を下げ、内気循環になっていることを確認してください。

渋滞にはまるとエアコンの効きが悪くなる、という経験をしている人は多いでしょう。
この原因はエアコンのガスを冷やすコンデンサーの熱。
走行中は外気の風がコンデンサーに当たるので高熱になることはありません。
しかし渋滞中になると風が当たらないため、コンデンサーの熱でガスが冷えません。

対処法としては、軽くアクセルを踏んでエンジンを2000回転ぐらいまで上げてください。
コンデンサーファンが回転して熱を拡散してくれます。

ただし、渋滞が長い時に回転を上げ続けるとオーバーヒートの原因になります。
回転を上げる時は必ず水温計を確認しながら、時間的な間隔を開けるようにしましょう。

走行中なのにエアコンの効きが悪い時、最初にチェックするのはエアコンフィルターです。
冷気や暖気の中にはホコリやチリ、雑菌などが含まれています。

エアコンフィルターの役割はエアコンから吹き出される空気を濾過して清浄にすること。
しかし、エアコンフィルターを長く使っていると濾過したゴミが目詰まりを起こします。
結果、空気の通りが悪くなってエアコンの機能が低下するわけですね。

エアコンフィルターの一般的な耐用年数は約1年。
本格的な暑さが訪れる前にエアコンフィルターをチェックしてください。
黒ずんで汚れていたら、即交換です。

なお、エアコンフィルターの位置は一般的な車であればグローブボックス内部。
マニュアルを見ればエアコンフィルターの位置が記されています。
エアコンフィルターをDIYで交換する際は必ず型番を確認し、同じ型番を購入しましょう。

エアコンのスイッチを入れても冷たい風が吹かず、除湿もしないという場合。
これにはいくつもの原因があります。
コンプレッサーやコンデンサーなどの機械的故障やエアコンガスが漏れていたり。
エアコンのスイッチが壊れていたり、ヒューズが切れていたり。

これらの原因の中で、カンタンにDIYで可能な修理方法はヒューズ切れだけ。
マニュアルにはヒューズボックス内の配置が記されています。
その中からエアコンのヒューズを探し、抜いてチェックしましょう。

ヒューズが切れていれば、新品と交換するだけで稼働再開します。
残念ながら、ヒューズ切れ以外の原因についてはDIYでの修理が困難です。
早めに民間の整備業者やディーラーなど、プロに原因の診断をしてもらうのが賢明。
原因の特定と、その修理を的確に行ってくれます。

その際、修理する前に原因や修理方法の説明を受けてください。
丁寧に説明してくれる業者であれば信頼して修理を任せることができます。

修理にかかる予算は故障したパーツによって大きく異なります。
輸入車や国産高級車では10万円を超える場合もあります。

とくにディーラーは新品と交換するので修理費用が高くなりがち。
あまり高い場合は民間の修理業者にリビルト品を依頼するという方法もあります。
予算を低く抑えたい場合は、数社で修理の見積もりを取り、安いところを選びましょう。

エアコンが効かない場合、自宅の駐車場であれば修理業者を呼ぶことができますね。
困るのは出先、とくにドライブに出かけた時など。
子どもが同乗していると状況はさらに悪くなります。
そのような時の対処法を紹介しましょう。

最初に窓を開け、できるだけ外気を車内に取り入れること。
走行していれば涼しい風が入ってきます。
高速道路では風切音が大きく侵入する風も強いので、最寄りのICで降りましょう。

コンビニを見つけ、ブロック氷やタオル、水などを購入してください。
タオルを氷で冷やして首や脇の下などに当てれば熱中症予防になります。

街道沿いに大手家電店やホームセンターがあったら屋内駐車場に停めてください。
直射日光が当たらないので車内の温度を下げることができます。
温度を下げている間、小型の扇風機や保冷剤などを購入して帰路に備えましょう。

帰路は、できれば気温が下がる夜間がいいですね。
エアコンはプロによる定期点検で故障の発生を最小限に抑えることができます。
メンテナンスをプロに任せ、快適なカーライフを送りましょう。

中山裕貴（PRO SHOP八尾店　施工技術マネージャー）

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