車のハンドルをきると異音がするのは故障?原因と対処法を解説
更新日:2021.11.16
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ハンドルをきった時に、わずかに聞こえてくるいろいろな異音。
これ、聞いた瞬間に不安を覚えますよね。
ハンドルは安全運転に関わる重要なパーツです。
異音が発生する原因や対処法について解説します。
ハンドルから聞こえる異音は故障の証拠
新車の時は静かでも、長年乗っているとあちこちからガタピシと異音が出ます。
その多くは長年の振動が原因。
内装や外装の接合部分がズレて発生します。
単なるズレ程度の異音であれば走行に問題はありません。
しかし、異音にはズレだけでなく部品の故障によって発生する場合もあります。
故障による異音は安全運転に大きく関わるので、感知した時は速やかな修理が必要。
日頃から車の異音に対して注意を払っていれば、リスクを最小限に押さえることができます。
異音は発生場所を見つけることや異音の種類で改善方法を探ることができます。
ハンドルも例外ではありません。
ハンドルをきった時に異音が聞こえたら、劣化したパーツに過大な負荷がかかっている証拠。
異音の発生源はステアリング系統だけとは限りません。
足回りパーツの劣化という可能性もあるのです。
異音が聞こえたら冷静に発生源を特定し、速やかに修理しましょう。
異音の種類と発生場所
異音と言っても、聞こえ方は人それぞれ。
以下の異音の例は参考程度に留め、感覚的に近い異音が聞こえたら発生源を確認してください。
①カリカリやキュルキュルなど擦れる異音
発生場所は運転席ダッシュボードの下。
ステアリングシャフトのブーツ内から聞こえる異音です。
考えられる原因はステアリングシャフトブーツ内のグリス切れ。
スタリングシャフトはハンドルからエンジンルームまで達しています。
途中、ジョイントを介して角度を変え、ラック&ピニオンギアに接続します。
そのジョイント部分をカバーしているのがジャバラ状のブーツ。
中にグリスがたっぷり入っており、ジョイントのスムーズな回転を促進させます。
グリスがなくなると金属が擦れるため、上記のような異音が発生するわけですね。
ブーツはゴム製なので経年劣化します。
とくに折り目のところは切れやすく、そこからグリスが漏れてしまいます。
グリス切れを放置しておくとハンドルが重くなるといった操舵性に問題が発生。
またブーツの切れ目から砂塵など異物が侵入するとハンドルがきかなくなる場合もあります。
対処法としては、自分でブーツの切れ目を発見できた場合、応急処置が可能です。
ブーツ内にグリスを入れ、切れ目を接着剤で塞ぐだけです。
ただし、あくまで応急処置なので、同じ症状が発生するのは確実。
専門業者と相談してブーツの交換を行ってください。
②ゴツゴツやゴーッなど金属がぶつかるような異音
発生場所が足回りから聞こえる異音です。
考えられる原因はタイロットエンドのブーツ内でグリス切れを起こしていること。
タイロットエンドとはステアリングギアとタイヤの間にあり、操作力を伝える部品です。
ハンドルを左右にきるとステアリングギアも左右に動きます。
この時、タイヤの上下運動の角度に対応するのがタイロットエンド。
ステアリングギアとのジョイント部分にはブーツがあり、この中にグリスが入っています。
しかしステアリングシャフト同様、ブーツは経年劣化する消耗品。
亀裂が入ってグリスがなくなると金属製のジョイント部分がぶつかるため、異音を発します。
また、タイヤを装着するハブとつながっているボールジョイントも異音の原因。
ボールジョイントがすり減るとスムーズに動かなくなるため、ぶつかるような異音が出ます。
いずれにしろ、専門知識がないと応急処置はできません。
金属がぶつかるような異音が聞こえたら、すぐに専門業者と相談してください。
③ウィーンやウォーンなど機械が空回りするような異音
この異音は油圧式パワーステアリング特有の現象です。
最近、主流になっている電動ステアリングでは発生しません。
異音が聞こえたら、まずは自車のステアリング構造を確認しましょう。
考えられる原因はオイル不足、異音の発生場所はボンネット内部です。
油圧式パワステはエンジンの動力とオイルの圧力を使ってハンドルの動きを軽くします。
オイルは封印されているので本来、減ることはありません。
異音が聞こえるということは、オイル漏れを起こしている証拠ですね。
対処法としてはリザーバタンクにオイルを注ぎ足しする応急処置があります。
しかし、漏れている箇所を突き止めて修理しない限り、直ることはありません。
油圧式パワステの構造は複雑です。
数多くある部品の中から漏れている箇所を見つけるのはかなり大変。
またオイル漏れの箇所を発見できたとしても、部品の交換は困難な作業です。
そのままの状態で放置すると、ハンドルが重くて操作できなくなる危険性があります。
かすかでも聞こえたら、ディーラーや修理工場など専門業者に修理を依頼しましょう。
異音が聞こえたら放置せず専門業者に任せる
ハンドルをきった時に発生する異音は小さい状態であれば走行可能です。
でも、走行できるからといって放置すれば、最悪の事態を招きかねません。
走行できるうちに専門業者へ持って行き、点検と修理を行いましょう。
ブーツ類の交換だけなら比較的安い費用で済みます。
しかしタイロットエンドやボールジョイントの交換になると費用は2〜3倍。
さらにステアリングの油圧式システム修理になると一気に跳ね上がります。
費用面から見ても、早めに修理した方が得策ですね。
ハンドルから異音が聞こえたら、応急処置より専門業者に相談することが最善の対処法。
不安を解消して安心安全のカーライフを送りましょう。
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中山裕貴(PRO SHOP八尾店 施工技術マネージャー)
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